No.208 人材特性に基づく業務分担が、活性化の基本

2024年06月25


■概要

 人には、向いている仕事と、向いていない仕事がある。向いている仕事をやっていれば、やる気が出るが、向いていない仕事をやっていると、やる気が出ないことに加えて、組織から離脱し、離職してしまう可能性もある。


 人をどんな仕事についてもらうかを考えるとき、思考特性が現状起点か理想起点か、行動特性が攻撃指向か守備指向かの4次元に分けることを推奨する。そうすればその人に向いている仕事を判定する判断基準が得られる。


■解説

 人の思考特性や行動特性の視点には様々なものがあるが、これまでに見てきた人材を分類してみると、上図にあるような視点で分類することができると考える。


□思考特性

 A-1 現状起点思考:現状を軸に考える傾向

 A-2 理想起点思考:将来どうあるべきか、理想の状態は何かという点から考える思考


□行動特性

 B-1 守備指向:決められたことを守ることを第一義に考える思考

 B-2 攻撃指向:どう変えることができるかという観点から考える思考


 ABから4つの事象を考えたときに、どの思考特性があるかによって、その人に相応しい業務の種類を想定することができる。


 例えば、理想起点思考で攻撃指向の人は、改革活動やPJT活動が向いている。しかし、現状起点の思考で守備指向の人材は、既存事業の運営に向いているといえる。現状起点思考だが現状起点指向であれば、既存事業の新規開拓に向いているといえそうである。


 どういう人材が良いか悪いかという観点ではなく、仕事の種類に相応しい人材を選出することが、大切ということである。


執筆者:萩原正英