2024年06月18日
■概要
「自分の役割が分からない」などという部下がいて、その問いへの答え方を知らない管理者がいる。勝手な価値観で役割を提示をすると、Z世代の人材は、組織の中での自分の存在感を感じることができなくなってしまう。
組織の役割には4つの次元がある。①階層に基づく役割、②所属する部門の役割、③組織を横断した運営の役割、④特命事項などの個別の役割である。これらの4つの側面から、部下の役割を明文化することが必須である。
■解説
組織の中における役割は、上図の4種類に大別できる。
①階層の役割:組織に所属していると、必ずどこかの等級に位置づいているので、自分の等級に期待されていることを全うするのが階層の役割である。
②部門の役割:自分が所属している部門には、全社的に見たときに、業務分担上の役割がある。部門や部署が担っている役割が、部門の役割である。
③横断活動の役割:組織の活動には、組織図に基づく役割に対して、分断された部門を横断する活動がある。具体的には、委員会やプロジェクト活動が横断活動に該当する。委員会やプロジェクトに属している場合は、横断活動を達成する役割を担っているといえる。
④個別の役割:個別の経験やスキルがゆえに、上位階層から特定の個人に向けて指示が来る場合がある。いわゆる匿名業務である。
上記の中で、①と②の役割や、すべ絵の組織構成員に与えられている役割である。こうした役割を漠然と捉えるのではなく、(対象)+(意図する状態)+(評価指標)の3つの側面で定義することが大切である。
特に、評価指標を定めておくと、役割の達成状況を数値で確認することができる。
執筆者:萩原正英