2024年06月04日
■概要
革新的取り組みは、誰が責任者であるかで、成否が分かれる。やりたいと思っている人を責任者にできれば、成功しやすい。しかし、やりたくない人や、やってもいいというレベルの人の場合は、失敗になる可能性が高い。
「やりたい」の次元までWILLのレベルが高くない人の場合においては、革新的取り組みの意義や取り組み成功への期待、その取り組みによる自己実現などを織り込めれば、WILLのレベルを高めることを期待できる。
■解説
多くの成功事例を観察してみると、良い構想が成功するというより、適任者が担当した取り組みが成功しているケースが多い。
良い構想であっても、やりたくない人が担当してしまうと、何か問題が生じたときに、その取り組みを中止するための理由を探し出す傾向がある。
一方で、やる気のある人が新たな取り組みを担当した場合、何かうまくいかないことが生じた場合、どうすれあ成功できるかを模索して、成功にこぎつけることが多いようである。
そこで求められるのは、やる気のある人材を見つけ出すことなのだが、やる気のある人材が見当たらないケースもある。そんな場合には、担当する人が、やる気になるように仕掛けることが必要になる。
人が何かの取り組みに、やる気を出すようにするためには、①その取り組みの社会的な意義を理解して、②周囲からその実現を期待され、③その取り組みの成功が、取り組む本人の自己実現につながるようなシナリオを考えることが重要である。
さらに、①②③を取り組む本人が、文章化することにより、その取り組みを「やりたい」という次元に移行できるように、自分の中に論理的な道筋を描かせることが有効となる。さらに、そのシナリオを、他人に説明する場を作ると、言った以上、実現しなくてはという心境になるのである。
執筆者:萩原正英