No.204 事例・技術・未来・自社支店で将来を構想する

2024年05月28


■概要

 将来を構想するとき、現在保有している知識だけで考えると、視野が狭く、現状の延長線上の発想に陥りやすい。より有効な構想を考えるためには、幅広い知識を収集して、そうした情報に基づいて発想するのが肝である。


 必要な知識として、まず他社の動向観察、次に多面的な技術革新の方向探索、さらに人口動態などの想定できる指標に基づいて未来を洞察して、こうした情報の中から、自社で対応できる領域を見るつけるのが妥当である。



■解説

 持続的な成長をするためには、次代に向けて、新たな取り組みをすることが必須である。


 なぜならば、既存の業界や市場は、時間の経過とともに、成長段階から成熟、衰退段階へと変遷し、獲得できる利益率が低下してしまうからである。


 将来に向けて、有望な事業を探索するときに、事例と技術、未来の3側面から将来の社会を洞察し、洞察した社会に向けて、自社に対応できる領域を見つけるという手順が好ましい。


①事例:同業他社や業界外の企業も含めて、将来に向けて、どんな領域に投資をしているか、新たな事業を立ち上げているかを観察する


②技術:将来に向けて、社会全体でどのような技術革新が予測されているか、SDGsの17の目標の中で、どんな取り組みが着手されているかを観察する


③未来想定:人口動態など、想定できる未来の動向を多面的に観察して、来るべき社会がどのような社会になるかを想定する


 ①②③を総合して、未来の社会を想定した後に、「④自社」で対応できる領域を探索するのである。①②③をせずに、④から考えてしまうと、現状の延長線上の発想に陥ってしまう。そのため、①②③で、視野を広げることが重要である。


執筆者:萩原正英