No.202 明るい未来の創造に不可欠な所得倍増プラン

2024年05月14日


■概要

 デフレからインフレ基調へと転換する中で、大企業は賃上げの気配が出てきている。しかし、国民の半数を超える中小企業での賃上げを実現できなければ、さらに貧しい社会になってしまい、世界から取り残されてしまう。


 自力で賃上げを実行する大企業に対して、中小企業の賃上げは、会計事務所によるサポートが社会的に見て妥当を考える。具体的には、トップラインを上げて、コストを最適化し、利益を適正に分配することが必須である。


■解説

 30年ほど前は、東南アジアを訪問すると、何でも安いと感じたのだが、昨今は、アジア諸国が成長し、物価が上がり、加えて、円安の影響もあり、日本と同等以上という感覚になってきている。このまま推移すると、安い日本に陥り、浮上が難しくなりそうである。先日ベトナムに出張で行ってきたが、コーヒーショップなどは、日本の価格とあまり変わらなくなっていた。


 では、具体的にどうすればよいかを考えてみたい。ずばり、国民の所得を引き上げることが有効と考える。大企業は、労使の協議で、3~5%程度の賃上げの気配だが、中小企業は、大企業に値下げ要求されて、さらに利益が薄くなり、賃上げの原資を確保することが難しくなる気配である。


 そこで、中小企業は、トップライン(売上)を引き上げて、費用を適正化し、利益を増大することが必須である。その利益を、貢献度に応じて配分することによって、貢献度の高い社員には、所得が倍増する報酬を与えていくことが有効である。


 もしもこれを実現できれば、高い報酬の組織に、より良い人材が集まり、成長を持続できることになり、善循環を生み出すことができる。地域にこうした企業が増えれば、地域内の消費が活性化することが期待出来て、その結果、多くの企業が潤うことも期待できる。


 こうしたメカニズムを実現するキーとなるのが、地域のキーステーションである会計事務所の役割だと考える。


執筆者:萩原正英